ねぇvv  〜789女子高生シリーズ

         *YUN様砂幻様のところで連載されておいでの
          789女子高生設定をお借りしました。
 

今年はクリスマスが土曜日だったので、
終業式を兼ねたクリスマス・ミサは、
その前日へと前倒しになった
もう一つ前日の23日が祭日であることから、
ややこしくはないかとの声が父兄の一部から挙がらなくもなかったが、

 「そうは言っても、当事者である私ども、
  1週間ほど試験休みに入ってしまっておりましたし。」
 「…、…、…。(頷、頷、頷)」
 「ずっと連休状態だったようなものですしね。」

これが例えば小学生なら、
祭日の翌日、終業式のためだけ登校して、
その翌日から冬休みだなんてややこしい、
振り替えを使って連続した休みにさせられないか…とのゴネようも通ろうが。
祭日にさえかぶさっていた長の休みを、既に満喫していた顔触れである以上、
そんな言いようもさしたる効力はないようで。

 「親御さんがそんなことを言い出すなんて、
  欧州にでも渡られて、別荘でお過ごしの予定がお在りなのでしょうね。」

ファッション誌のパーティー特集、
ハリウッドセレブたちに流行のデザインという、
華やかなカクテルドレスが居並んでいるページを眺めていた七郎次が。
特に珍しいことじゃあない、
ごくごく一般的な、帰省のような扱いで口にして、

 「……。(頷)」

さもありなんと、久蔵が相槌を打ったものの…。
先程 五郎兵衛殿が差し入れてくれたしょうが湯を、
匙で掻き回し、時折ふうふうと息を吹きかけて冷ましつつという、
結構な忙しさを見せる彼女なのへ、
あらまあと苦笑をし、どれ貸してごらんなさいと手を出したのは、
言わずもがな、七郎次で。
相変わらずに猫舌なだけじゃあない、
熱いものを持つのも苦手な“猫肌”な久蔵が。
そんな自身の性分への対処法、
なかなか身につけられないのの根本的な原因なんじゃなかろうかと、
平八に思わせてやまないのが、
この、七郎次の懇切丁寧な構いようであり。
昔の…前世の記憶が戻るのは一番遅かった七郎次ではあったが、
それらを思い出すより先に、
紅バラさんが熱いものを持て余しているの、
素早く見抜いた慧眼こそ恐ろしい。

 『苦手だけれど、好きなんでしょう?』
 『〜〜〜。(頷)////////』

そういう人っているのよねと、
春先の草野さんチの庭先でのティーパーティーの最中に、
彼女自身にも覚えはなかったらしい、
“おかん気質”を早速発揮して下さった一幕だった訳だけど。

 “シチさんに出会うまでに改善されてなかったのは、
  兵庫せんせえがやっぱり過保護をしていたからなんでしょうね。”

まったくまあまあ、こんの“おかん”たちは もうと。
お匙に掬った分を丁寧に冷まして差し上げて、
どうぞと口許まで運んであげる白百合さんの甲斐甲斐しさ、
苦笑交じりに見守る平八だったりし。

 「……ところで。」

さすがに距離があるようではこぼしかねぬと、
双方共に足を突っ込んでいたコタツの、
丁度隣り合わせだった角っこで身を寄せ合って。
ほらどうぞ、うんありがとと、
絵に描いたような睦まじいところを披露しているのがまた、
実は百合なのでは疑惑が時折広まるのも無理ないなぁと、
別口のネタまで思い出しつつ、

 「クリスマスはどうでした? お二人さん。」

そんな爆弾を投下して、


  「…………………え"?」 ×2


白百合さんと紅バラさん、
女学園で下級生たちからの人気を、
くっきりと二分しておいでな美人二人を相手に、

 「だってほら、クッキーとか焼いたじゃないですか。」

 「あ…いや、あの、えっとぉ。」
 「〜〜〜。///////」

昨日の友は、今日の敵 とか?
(こらこら)
金髪娘二人を、手と手を取った恰好のまま たちどころに凍らせた、
恐るべき ひなげしさんだったりしたのであった。





   〜どさくさ・どっとはらい〜  10.12.27.


  *タイトルは、
   あの、かあいらしいテクノユニットさんたちのお歌からvv
   大騒ぎの後ですし、何かしらデート系のお話で、
   クリスマスに何か書こう…と思いつつ。
   期を逃してしまったので、
   オチは皆様でご想像を…じゃあ済まないですかね。
(笑)
   年が明けてからになりそうですが、
   よければお待ち下さいませ。

  *ちなみに、もしかして“百合”なのでは疑惑は、
   当人たちのお耳にも届いていたそうですが、

   『百合?』
   『…?』

   シチのことか?と、相方さんを指さした久蔵だったあたり、
   根本的なところからして通じてはなかったようだったので、
   万が一にも嫌がらせの中傷もどきだったとしても、
   効果はなかったようでございます。
(大笑)

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